idea factory from newspaper 2003 8 20
長期金利(long-term interest rate)
長期金利、一時1.41%。
債券相場は、7日連続安となった。
終値利回りは、1.375%。
10年国債先物は、138.22円。
10年物国債利回りは、6月11日に、一時0.430%を記録している。
「着地点の見えない落下」。
メガバンクは、債券で損をしても、株を大量所有しているので、問題ないが、
株に比べて、債券の所有比率が高い金融機関は、どうなるか。
たとえば、地方銀行などは、債券と株の所有比率は、どうなっているか。
もちろん、前回の急落で、対策は終わっていると思えるが。
経済心理学(new economic science)
昨年、ノーベル経済学賞に輝いた行動経済学者カーネマン教授の研究が、
今後も、大いに期待されます。
「合理的経済人」という発想は、少し無理があると、かねてから、思っていました。
これは、神学論争の世界に入っていると思っていました。
実は、「合理的経済人」に、もっとも近いと思われる投資家が、合理的行動をしないのです。
昔からよくあることですが、ある銘柄について、
投資の指標であるPERやPBRが、株価の割安を示していても、
なかなか、投資家が投資しないのです。
投資家に聞いてみると、
「この銘柄は、有名でないから。」
「この銘柄は、地味だから。」
「この銘柄は、誰も推薦していないから。」
そう言う理由でした。
今は、無名でも、将来性は十分あるといっても、投資家は無関心でした。
ところが、投資雑誌や経済誌で、その銘柄が記事として、取り上げられると、
その銘柄は、急に人気銘柄になりました。
そして、人気が集中し、株価が急騰しました。
しかし、株価が急騰した結果、
投資の指標であるPERやPBRが大きく上昇し、
いくら将来性があっても、この株価は行き過ぎであると警告しても、
投資家は、投資を続けます。
「この銘柄は、みんなが買っているから。」
「値動きがいいから。」
「評論家の多くが推薦しているから。」
「人気があるから。」
こうなると、合理的行動をする投資家は、少数派になります。
こういう歴史が、株式市場では、何十年も繰返されています。
特に失敗が学習されることなく、歴史は繰返すという状況でした。
私の父親は、本業の他に、長年に渡って、株式投資をしていましたので、
私も、長年に渡って、株式市場や投資家の心理を見てきました。
だから、大学に入学して、経済学の授業に出席したのはもちろん、
心理学の授業にも、一生懸命、出席しました。
もちろん、野菜市場や魚市場にも、よく見学に行きました。
さらに魚屋やデパートで、アルバイトしました。
問屋では、統計のアルバイトをしました。
経済学は、心理学であると同時に、フィールドワークでもあると思います。
人間を研究する学問であると思います。
決して、神学でもないし、机の上の学問でもありません。